くにさんの気まぐれ日記

思うところ、思うがままに、勝手に書きます。

私の宝物

急ごしらえで作った決算報告および予算案、やっぱり不備があった。


会場から「収支が合わないのは何故だ?」との声。だが領収書や振込通知と出納簿は1円たりとも間違いは無いことを、自分はもちろん監査の方々にも確認して頂いている。訳が分からない。なぜだ???壇上で頭にすっかり血が上ってしまった。


「すみません、会計担当だけが壇上でひとり、理解できていません。一旦席に戻って修正させて下さい。」
ドッと会場が沸く。ひとまずやり過ごした。


「訂正してから後ほど再報告」ということで席に戻ったが、一度のぼせた頭はそう簡単には戻らない。


隣に座っていた事務局の方が誤りを指摘して下さった。その時は分かったつもりになるが、いざ、手元の報告書を見ると、何をどうなおせばいいのか分からない。


別の支社にいる、同期入社の女子が駆けつけてくれた。事務局の方と同じような説明をしてくれた。だが、分かったつもりになるものの、やっぱり理解できていない。(彼女には、学生時代、いつも私が数学や表計算ソフトの使い方を教えていたのに、彼女から算数を教わるとは予想もしなかった…)


私の様子を見ていて、いよいよダメだな、と思った大学時代の恩師もやってきて説明して下さった。「とにかく、この数字とこの数字を読み上げれば問題ないんだから」


さて、2度目の決算報告。もう、半ば受け狙いで行くしか無い。
「申し訳ありません。計算できない会計の再登場です」
再び会場が沸いてくれた。よし、少しはリラックスできたぞ。


皆さんのお陰でどうにかクリア。と思ったら、再び別の箇所への指摘。


「受賞者への表彰状、記念品代が収入になっているけど、これって受賞者から金取るの?」「それもいいかもしれないなぁ、賞を金で買えるのか」
一同大爆笑。


まあ、何だかんだで不備だらけだったが、多くの方々の助けでどうにか乗り切れた。もちろん、修正した報告書は宿題となったが。


本当にどうして自分はこんなにダメなんだろう。皆に迷惑ばかりかけて。いつになったら一人前の仕事ができるようになるんだろう。本当に自分が情けなくなる。会計の仕事も自分よりも優秀な人が大勢いるんだから、そういう人にやってもらった方が、みんなのためにも良いに違いない。いっそのこと、消えてしまいたい…。


いつもの思考パターンなら、多かれ少なかれ、こうなるだろうな。でも、なぜか今回はちょっと違った具合に考えられる。


こんなにしょーもない私のことを助けてくれる人たちがいる。会場のみなさんも私を叱責することなく、見守っていてくれる。これって自分が見捨てられてはいないと言うことだよな。これって、とっても幸せなことなんじゃないか?こんな優しい方々の存在って、私にとっての宝物なんじゃないか?そんな風に思えてきた。
未だに躁状態なのかな?認知療法の効果なのかな?月に一度会うカウンセラーだけじゃ無く、日頃職場で色々教えて下さる「カウンセラー」さんたちのお陰かな?


席に戻ったときに、室長が声をかけて下さった。「お疲れさま」。
「文字通り、冷や汗ものでした。喉もカラカラです」と私。
室長「いいんじゃない?ウケてたから」


本当に優しい人たちでいっぱい。自分は幸せ者だ。


総会が終わってから、恩師にお礼を言いに言った。
すると、「まあ、慣れだからなぁ、こういうものは」
さらに自責の念は小さくなった。だが、最後に
「だけど、来年もこんな具合に済まされるとは思うなよ」

 

しっかり釘も刺されました。これもまた、有り難いことです。